音速の箱庭

わたしもつれてって。

わたしが川島如恵留に転がり落ちた話。 2

A.B.C-Zを好きになったら当然、ザ少年倶楽部をみはじめる。
少年倶楽部をみはじめたら徐々にジャニーズJr.の顔と名前が一致するようになり、顔と名前が一致しはじめるとだんだん気になる子が出てくることは、かつてアイドルオンステージやMUSIC JUMPで経験済みだった。そうして気になったJr.が、次々と辞めていってしまうことも。
好きになった子が辞めていくのはつらいからJr.は極力みないように名前も覚えないように、と思っていた。
(おそらくこのあたりで川島如恵留の名前を知ったと思うけれど顔はまだ分からず、「今時の子って感じの名前だなぁ」と思うに留まっていた)
そう思っていても、A.B.C-Zをみたくて少年倶楽部や滝チャンネルの過去の動画を遡っているうちに、嫌でも顔と名前は一致していく。
最初に覚えたのは、Snow Manだった。
そう、滝チャンネルのあの伝説のドッキリをみてしまった。かわいいに決まってる。決まってるが、わたしはもうJr.には落ちないぞ、とまだ自分を制していた。

 

が、またしても妹が先に落ちた。ふぉ~ゆ~に。
黄金期にちんちくりんだった屋良朝幸が今もまだジャニーズにいて同期のタッキー&翼の振り付けをした、という胸熱案件に飛びついて「小悪魔ジュリエット」をみたら、バックで踊っていたふぉ~ゆ~に落ちたらしい。その中でもとりわけ、越岡裕貴に。

 

妹が少年倶楽部で大勢のJr.の中で踊る川島如恵留を指して「この子がのえるくんだよ」と教えてくれたのは、たしかこの頃だったと思う。子役出身で、劇団四季のライオンキングにヤングシンバ役で出ていた塚ちゃんが大好きな子、ということも知った。
お顔が特徴的で、一度で覚えた。覚えてしまうと、ダンスと表情がものすごく目立つ子なんだということはすぐに分かった。
あとクセが強い。全身で「かわしまのえるっ!」って主張している。
ひとりだけ舞台で演技をしているのかと思うほどの表情で踊っていて「はぇー、すごい子がいるなぁ。こんな子こそデビューするべきだよなぁ」と思いつつも、同時に「どうしてこの子はジャニーズに入ったんだろう。劇団に入ってミュージカルに出るのがこの子の正しい道だったんじゃないだろうか」とも思っていた。

 

妹がふぉ~ゆ~とA.B.C-Zをみるために買った2011年と2012年のPLAYZONEのDVDも一緒に観た。
でもこの時、わたしがみていたのは黄金期に最も愛していたJr.野田優也だった。
黄金期に中学生だった彼の笑顔に心奪われて、ジャニーズから離れていた時期に引越しでグッズや写真のほとんどを処分してしまったにもかかわらず、野田優也の写真だけは処分できなかった。それくらいわたしにとっては特別な存在だった。
そんな特別だった野田優也が今もジャニーズにいて、PLAYZONEに出ている。しかもあの頃と全く変わらない奇跡の童顔。ダンスは決して上手くない。でもそこが愛しい。
「次のプレゾンは絶対に行こう」と、妹と約束した。

 

その矢先に、野田優也が事務所を辞めた。

 

「ほら、やっぱり。だからJr.は怖いんだよ。やっぱりJr.なんてみるべきじゃないんだ」と失意の中思った。
立派な越岡担になっていた妹はPLAYZONEに行く気満々。一方のわたしは迷っていた。
好きな子が辞めてしまった。わたしはいったい誰をみにPLAYZONEに行くんだろう。二人になった“MAD”をみて、ここにあの子がいたら・・・と思うのは残る松本幸大と池田優に、舞台に立つ全員に失礼なことなんじゃないか、と。